日本語能力試験N1読解問題
以下の文章を読んで、質問に答えてください。
米国人の言語学者の家で夕食会に招かれた筆者は、興味深い経験をしました。食事の際、白い御飯が日本のドンブリに盛りつけられて出されましたが、これは実はイタリア料理の一部だったのです。この経験を通じて、筆者は食事文化の違いについて考察しています。
日本の食事文化では、米の飯は他の食物と並列的・同時的な関係にあり、食事の始めから終わりまで食べられます。一方、西洋諸国の食事文化、特にイタリアでは、食事が一段階ごとに一品ずつ進む通時的展開方式が一般的です。
筆者は、ドンブリに盛られた白い御飯を見て、日本式に他のおかずと一緒に食べようとしましたが、これは文化の違いによる勘違いでした。この経験から、文化の単位をなす個々の項目は、他の項目との関係性の中で相対的に価値が決まっていくことを学びました。
以下の問題は、先ほどのエッセイに基づいて作成されています。各問題の後に正答と解説が付いています。
Results
Try Again!
#1. 筆者の「失敗」の根本的な原因は何だと述べられていますか?
正答: 異なる文化構造への日本的価値の適用
解説: 「これを自分の文化に内在する構造に従って位置づけ、日本的な価値を与えようとしたことが原因なのであった」と説明されています。
Answer Choices:
- 言語の壁 (げんごのかべ) – Language barrier
- 料理の味の違い (りょうりのあじのちがい) – Difference in the taste of the food
- 食器の使い方の誤解 (しょっきのつかいかたのごかい) – Misunderstanding of how to use the tableware
- 異なる文化構造への日本的価値の適用 (ことなるぶんかこうぞうへのにほんてきかちのてきよう) – Applying Japanese values to a different cultural structure
Correct Answer:
異なる文化構造への日本的価値の適用
Explanation:
The essay explains that the fundamental cause of the author’s “failure” was trying to apply Japanese cultural values to a different cultural structure. The author states, “これを自分の文化に内在する構造に従って位置づけ、日本的な価値を与えようとしたことが原因なのであった,” which means that the author tried to position the experience according to the structure inherent in their own culture and apply Japanese values to it. This led to a misunderstanding in the context of the Italian meal.
Vocabulary:
- 筆者 (ひっしゃ) – Author
- 失敗 (しっぱい) – Failure
- 根本的 (こんぽんてき) – Fundamental
- 原因 (げんいん) – Cause
- 言語 (げんご) – Language
- 壁 (かべ) – Wall
- 料理 (りょうり) – Cuisine, food
- 味 (あじ) – Taste
- 違い (ちがい) – Difference
- 食器 (しょっき) – Tableware
- 使い方 (つかいかた) – Way of using
- 誤解 (ごかい) – Misunderstanding
- 異なる (ことなる) – Different
- 文化 (ぶんか) – Culture
- 構造 (こうぞう) – Structure
- 日本的 (にほんてき) – Japanese
- 価値 (かち) – Value
- 適用 (てきよう) – Application
Grammar:
- 〜だと述べられています (〜だとのべられています) – Indicates that something is stated or mentioned in the text.
- 〜に従って (〜にしたがって) – According to, in accordance with.
- 〜ことが原因なのであった (〜ことがげんいんなのであった) – Indicates that something was the cause.
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